2013年1月10日、11日の朝日新聞30面、33面に『「夫は外、妻は家庭」なぜ増加 上下』が掲載されました。
この記事の中で社会学者の関沼博氏は『・・・夫の稼ぎだけで妻子を養うのは難しく、公的な保育サービスも充分でない。親の支援がなければ、子育ての中の妻ははたらきつづけられないのが、今の20代の現実だ。その中で「ささやかな幸せ」を描いたら、こういう結果になったと見るべきだろう。・・・』と言われています。
これが主な原因でしょうか。
現実の若い世代の方々を見ていると、前半の稼ぎのところはそうだとは思いますが、後半の見方は違うのではと思われてなりません。
このような仮説を立てています。
子どもを持つ若い夫婦では、夫の稼ぎだけで妻子を養うのは難しく、収入を確保するためには、どうしても妻が働きに出てもらうことが必要となる。
働きに出た妻はそれなりの収入を得られるが、子どもの面倒は自分以外の人に頼ることになる、
親は必ずしも近くに住んでいないので、他の人または組織の保育サービスに頼らざるを得ない。
一番手がかかるが、一番可愛い次期の子どもの面倒を他の人に見てもらうことになり、少子化で子ども一人を持たれるとすると一生この経験を失うことになる。
一方、保育サービスに頼るためには月にそれなりの金額を支払うことが必要になる。
この金額が、場合によっては妻が得た金額の半分や5分の2程度になり、ばかにならない。
そこへもってきて、前述のように自分なりが必要な時期に自分の子どもの面倒ができない。
このようなことが「妻は家庭」ということにつながっているのではないかということです。
いかがでしょう。
勿論、妻の仕事が充実していて、収入も他のところに支払ったとしても、充分手元に残る方々は立てた仮説のようなことは考えないと思います。
しかし、多くの方々はそのような環境におられないのも現実ではないでしょうか。
ときめいておられる社会学者の方であるなら、このような社会的環境を視座に置かれて記事を書かれた記者に話していただきたかった、と思うのは私一人でしょうか。