最近は「恥ずかしいことだよ」とか「悪いことをするとお巡りさんに怒られるよ」てなことは聞かなくなったし,口に出すことがなくなったのではないでしょうか。
そう思うと,自分でも子供に対して言わなかったなと実感するのです。
確かに自分の親世代は言っていました。
一寸したことに必ずと言っていいほど言われたものでした。
自分の親だけでなく,近所の親世代の人たちは子供に言っていました。
聞いて育ったわれわれ世代はどうかと言えば,言ってこなかったのではないでしょうか。
自分の場合で考えると,なにか白々しくて「恥ずかしいことだよ」とか「悪いことをすると・・・」とは言えなかったように思います。
言われて来たときも,何か白々しかったようにも記憶があります。
しかし,このような言葉を聞かなくなった世代は,今後言わないでしょうし,吉本隆明ではありませんが,共同幻想のような共通した幻想を持ち合わせない世代が生まれてきたのではないでしょうか。
このことが,いろいろな事柄を抑制する幻想を造り上げることがなくなってることの一因と考えるのは短絡しすぎでしょうか。
さらに言えば,これらの言葉はかなり頻度高く言われていた記憶があります。
何か気付くことがあれば,親世代の人々は,その都度すぐに口にしていたのです。
現在のような状況を考えますと,何か目にしたら即その場で口にできるような社会を取り戻すことが必要な時期に来ているのではないでしょうか。
現代,これからの時代にあった言い方を新たに造り上げながらかもしれませんが。