技術の国際会議では、専門委員の立場では賛成であっても、総会では国の代表として反対を投じることがありました。
技術の国際会議では、全体会議である総会と、ワーキンググループとから構成されます。
議決は総会で行われ、国として1票の投票権があります。
ワーキンググループは複数あり、全てのワーキンググループの分担分けや方向付けなどを行うグループ、課題別のグループがあります。
ワーキンググループへの参加は、国を代表する出席者がグループを任意に選択して出席することで可能となります。
ワーキンググループの分担分けや方向付けなどを行うグループでは、専門委員の立場で、先ず各国から寄せられた意見を読み、聞き、検討して、先ず意見のグループ分けを行います。
グループ分けされた意見は、各ワーキンググループに振り分けられ、検討されるのです。
各ワーキンググループの委員は専門家であり、国の代表とは位置づけられません。
ですから専門委員はあくまでその分野の専門家として各国の意見を検討して、国際的に妥当な意見に纏め上げて行きます。
各ワーキンググループの検討内容は、全体を見ているワーキンググループに適宜報告され、方向の妥当性などが検証されます。
このようなプロセスを通してワーキンググループの結論を創生するわけです。
この結論は総会にかけられ、各国に1票与えられた投票権が執行されるわけです。
この時に最初に書いたことが起きるのです。
例えば、あるワーキンググループの専門委員がある国の代表者で、専門家としてワーキンググループの中核として結論を創生したとしても、国の代表として総会でそのワーキンググループの結論に反対投票が行われることが、しばしば起きます。
それも同一の委員(ワーキングも総会も)であってもです。
一寸戸惑うのですが、それが国際会議なのです。
このことを踏まえて、わが国の最近のTPPの議論は、国際会議での決議のプロセスをご存知でない方々が、我が物顔に議論しているように思えてなりません。
是非、国際会議に出席されたご経験がある方にこの辺りのことをお話いただきたいと思うのですが。
いかがでしょう。
それから、ワーキンググループではどのようなことでも意見を出すことが重要です。