2011-05-28

学者だけが専門家ではないということ

今回の原発事故に対して、多くの学者の専門家がテレビのコメンテーターとして発言されています。

知見を持っておられる方々としては、学者の方々は適任でしょう。

しかしながら学者の方々の知見の範囲を考えた時、その方々だけの意見を聞いていれば良いのかと感じています。

この問題に対して医師の原田正純氏が5月25日の朝日新聞(朝刊、13面)に、水俣病の経験を踏まえて原発事故に対して、「・・・『何が専門家なのか』があいまいだと言いたい。いわゆる『専門家』(学者)の言うことだけをうのみにすると危ない。魚の専門家とは誰か。大学にもいるだろうが、水俣の海で毎日魚を取って暮らす漁師も専門家です」と言われています。

さらに、水俣病の原因を有機水銀でないと言い続けた専門家の態度に対して、「・・・『あなたがたは素人。俺たちは専門家だから正しい』という風にやってきた」とも述べています。

まさに専門家と言われている方々の専門性を確認した上で、信憑度を計る必要があると思うのです。

原発事故は、原発の原理に対して知見のある方だけが専門家でないと思います。

どちらかと言えば、専門家はプラントの設計・施工にかかわった方であり、原発のオペレーションをされている方々こそ、専門家の中の専門家ではないでしょうか。

原発の原理や、原発のプロトタイプで実験をされてこられた多くの学者(主に大学の)の方々に、福島原発の事故の状況を説明いただいたところで、現実に起こっていることには適切な説明ができると思えません。

しかし、現実にテレビからいろいろなコメントが放送され続けています。

あまりにも収束できないコメントが氾濫しているように思えてなりません。

是非、専門家として学者の方々だけがコメントするのではなく、多方面の知見者からコメントを発信していただきたいと思います。

できればどうしてそのように解釈されるのかを教えていただきたいと思うのですが。

いかがでしょう。