若冲の絵をご覧になったでしょうか。
現代に通じるフォルムや技法を感じないでしょうか。
明治以前のわが国にも美術に相当する文化が存在していたのです。
しかし,それは明治維新とともに切り捨てられてきたのではないでしょうか。
欧州からの美術の導入により,油絵の具による技術が大きくクローズアップされることになり,わが国に芽生えてきた個性のある絵画が見直されることなく,駄目のレッテルを貼られたように感じます。
明治からこのかた日本画と称される絵画には独自性や個性を感じるフォルムや技法の片鱗すら感じられない作品ばかりのように感じるのは私だけでしょうか。
能が現代に通じる抽象化された動きなどの表現を持ち合わせているのと同じように,明治維新以前の絵画にはピカソやマチスに肩を並べることの可能なものがあると感じるのです。
しかし,これらの系譜はどこに行ってしまったのでしょうか。
この辺りも,明治維新の立役者に絵画の素養が備わっていなかったからと判断するのは早急でしょうか。
明治維新を素直に考察することによって,現代の問題を解決する糸口を探したいものです。
いかがでしょうか。