原子力発電は安全だと言ってこられた学者、TVのコメンテーター、コマーシャルに出ていた学長など、今回の事故を踏まえて、皆さんが言っておられた「安全」って何を言っていたのか是非、発信しただきたいと思います。
安全は装置の安全性を言うのではないはずです。
皆さんはどこを指して「安全」と言ってこられたのでしょう。
安全はシステムとしての安全であり、安定運用時の装置の安全性、適正な運用による安全性、維持管理時の安全性、不具合発生時の適正な対応による安全性などが確保されて「安全」と言うのではないでしょうか。
今回の東電による事故は、不具合発生時の迅速で適切な対応ができていないことが問題だと思うのです。
つまり、安全性の一つ相当が欠けていることが明らかになったのです。
システムの不具合が発生した時に当事者として自ら対処できて、はじめてシステムが安全に運用されていると言うのだと思います。
いかがでしょう。
今回の東電の方や関連会社の方々が命をかけて不具合の対処に当たっていただいていることには感謝いたします。
しかしながら東電の経営者である幹部は当事者として前記のように「安全」を認識されているのか、少し疑問を感じるのは私一人でしょうか。
先ず、本社の取締役が切羽詰った姿勢が見受けられないこと、現場にかけつけての陣頭指揮をしているように見えないことがあります。
加えてこのように見受けられることから次のような仮説を立てざるを得ないのではと思い始めました。
まさか電線を敷設して電力を供給する事業とはことなり、原子力発電は火力・水力発電と同じようにオペレーションカンパニーとして行っているとの認識ではないかと言う仮説です。
つまり、火力・水力発電では設備類は、外部の会社に製造していただくか、購入しているものであり、設備の不具合が出た際には納入会社の方を呼びつけて修繕してもらっているのだと推察します。東電の社員の方々が自ら修繕しているとは推定することは困難でしょう。
同じように東電幹部が原発もそのように認識しているのではないのでしょうか。
何か記者会見の時の幹部の表情、切迫性、説明の仕方・内容に当事者としての「顔」が感じれられないのです。
加えて東電はオペレーションをしている会社なので装置の不具合は納入業者が解決する事項と認識しているのではと疑念をいだきます。
前述のように「安全性」は不具合に対して適切に対処できることと考えると、オペレーション会社であってもそこまで自ら対処できなければ安全に運用しているとは言えないのではないでしょうか。
原発は火力・水力発電とは異なり、オペレーション会社であっても、そこまで当事者になっていなければオペレーションを行っている会社として認めるべきではないのではと思うのですが。
いかがでしょう。